※2021/06/13作成
お祝いの席や食事の前の乾杯ドリンクとしてよく登場するスパークリングワイン!
特によく耳にするのはシャンパンだと思いますが、シャンパンというのはスパークリングワインの中でも限定された地域・製法で作られるもののみを指します。
ここではシャンパンってなにもの?スパークリングってどういう種類がある?といったちょっと勉強になる情報と、スパークリング選びで使えるシチュエーション毎のオススメスパークリングワインをご紹介します!
みんなが飲みやすいアルコール低め・少し甘めのスパークリングや、ちょっとした話のネタになるスパークリングなどなどワイン選びの参考にお使いください!
スパークリングワインとは?

スパークリングワインってどんなワイン?
スパークリングワインとは、炭酸ガス(二酸化炭素ガス)を含む発泡性ワインで、炭酸ガスのガス圧が3気圧以上のものを指します。
ガス気圧が3気圧以下のワインはセミ・スパークリングワインと呼ばれたりします。
スパークリングワインというとゴールドのワインを思い浮かべるかたも多いと思いますが、赤やロゼもあり、また辛口から甘口まで様々な味わいのものがあります。
また、製法も大きく5種類あり、様々な国で造られています。
シャンパンってなに?

シャンパンはフランスのシャンパーニュ地方で、伝統的方式(この後紹介します)を用いて作られたスパークリングワインのみ、を指す言葉です。これは世界のスパークリングワインの8%程度です。
それ以外の地域で造られたワインはシャンパンを名乗ることはできません。
スパークリングワイン=シャンパンと思っている方も意外と多いかも(私も勉強を始めるまではそうでした・・・)ですが、違うのでご注意を。
世界にはシャンパン以外にも素晴らしいスパークリングワインがたくさんありますので、ここから作り方と合わせてご紹介します!
スパークリングワインの作り方
スパークリングワインの作り方は大きく、伝統的方式・トランスファー方式・タンク方式・炭酸ガス注入方式・アスティ方式の5つの方式があります。
5つの各製法はステップも多いのでここでは簡単に概要だけの紹介にとどめたいと思います。
ポイントは、炭酸ガスをどうやってワインに発生させるか、です。
直接注入するのが、炭酸ガス注入方式で一番コストもかからない方法です。
残りの方法がアルコール発酵中に発生した炭酸ガスをワインの中にとどめておく方法で、
1回の発酵で完了させるのがアスティ方式、2回の発酵でより手間をかけて行うのが伝統方式、2回の発酵ですこし簡略化してやるのがトランスファー方式です。
伝統的方式が最もコストも手間もかかる方法です。シャンパンはこの伝統的方式で造られます。
各方式についてもう少し詳細に紹介します。
伝統的方式
ブドウのアルコール発酵を2回行います。2回目の発酵で発生した炭酸をとどめることでスパークリングワインを造ります。
伝統的方式の製法

- まず通常のスティルワインを、アルコール度数が低めになるように作ります。(1回目の発酵)
2回目の発酵でアルコール度数がUPするため、この段階でのワインはアルコール度数を低めにします。 - ハウススタイルにあった風味のワインを造るため、他の収穫年度やオークを使用したワインなどをブレンドします。
- 王冠型のキャップをつけて、ワインを水平にし、冷温でゆっくりと発酵させます(2回目の発酵)
この発酵で炭酸ガスが生まれアルコール度数がUPします。 - 発酵後もしばらく水平にしておき熟成させることで炭酸がワインに溶け込みます。
またこのとき発酵の役目を終えた酵母が死骸(澱)となり自己分解をすることでパンのような香りと旨味がワインに与えられます。(シャンパーニュ香と言ったりします) - 熟成が完了したら、水平状態の瓶をゆっくりと下向きの垂直状態に動かします。
どれくらいゆっくりかというと、機械だと数日くらいかけます。手作業の場合は6~12週間もかけているとか・・・ - 下向き垂直になると、ボトルの入り口あたりで沈んでいる澱を凍らせます。
- 180度回転させ、通常の直立状態にしたらキャップと澱を取り除きます。
- ワインが↑の作業で少し減っているので、ワインと糖の混合物を追加し、コルクをして熟成させれば完成です。
この追加するワインと糖の混合物で最終的な甘さが決まります。
伝統的方式でできるスパークリングワイン
シャンパン
シャンパンはこの伝統的方式で造られます。
品種は主にシャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエの3種類です。
シャルドネは軽やかさや酸味、柑橘系の風味を与え、黒ブドウであるピノ・ノワールはしっかりしたボディや赤系果実の風味を与え、ムニエは果実風味を与えることができます。
熟成期間も最低15か月と長く、きめ細やかな泡とパンやビスケットのような香りが特徴です。
クレマン
クレマンはフランス国内のシャンパーニュ地方以外の産地で伝統的方式でつくられるスパークリングワインです。
アルザスやボルドーなどそれぞれの産地での品種が使われます。
カヴァ(CAVA)
カヴァはスペインのいくつかの地域で、伝統的製法を用いてつくられます。
品種はマカベオ、チャレッロ、ガルナッチャ、モナストレルなどが使われ、辛口です。
シャンパンより価格も低めなことが多く、手軽に楽しみやすいのが嬉しいポイントです。
トランスファー方式
トランスファー方式は、伝統的方式の応用になります。
2回目の発酵まではボトルで行いますが、その後ワインを加圧したまま密閉タンクに移し、澱抜きを行います。
そのため、伝統的方式よりもコストを抑えてスパークリングワインをつくることができます。
タンク方式
タンク方式の製法
伝統的方式とトランスファー方式は2回目の発酵をボトル内で行う瓶内二次発酵ですが、タンク方式は2回目の発酵は密閉タンクで行います。
これにより低コストかつ短期間でスパークリングワインをつくることができます。
澱との接触時間が短いため、酵母の自己分解によるパン香は少ないですが、代わりにブドウ品種自体の特徴を表現しやすいのがこのタンク方式の風味の特徴です。
そのため、果実や花の風味の強い華やかなスパークリングを楽しむことができます。
タンク方式でできるスパークリングワイン
プロセッコ
プロセッコはイタリアのヴェネト地方やフリウリ地方で、グレラ種を原料としてつくられます。
酸味は中程度で青リンゴやメロンのような香り、辛口には分類されますがやや甘味があるのが特徴です。
アスティ方式
アスティ方式はイタリア、ピエモンテ州のアスティ地区の甘口スパークリングワインをつくるのにつかわれる手法です。
アルコール発酵を加圧タンクで1回だけやるのが特徴で、冷やしてアルコール発酵を途中で止めるため、甘口かつアルコール度数が7%程度と低くなります。
炭酸ガス注入方式
非発泡性ワインに炭酸ガスを注入してスパークリングワインをつくります。
ベースワインの風味を残すことができ、かつコストもかからないので手軽に楽しめる低価格のスパークリングワインができます。
おすすめスパークリングワイン
シチュエーション毎のオススメスパークリングワインをご紹介します。
みんなが飲みやすいスパークリングワイン
アルコール度数が比較的低めかつ、甘味があり普段ワインを飲みなれない方でも楽しめるワインを紹介します。
アスティ
アルコール度数が7%程度と低く、甘口で、花やモモ・ブドウのフルーティーな香りが特徴です。
度数が低く甘めなので、お酒があまり得意でない方でもオススメです。
ランブルスコ
ランブルスコはイタリアの赤いスパークリングワインです。
こちらもアルコール度数が比較的低く、赤ワインながら渋みがほぼないのでお酒やワインを普段飲まない方でも飲みやすいです。
また辛口~甘口まであるので、食事に合わせるなら辛口、デザートと合わせて甘口など、シーンにあわせて選べるのも嬉しいポイントです。
普段の食事と合わせやすいスパークリングワイン
食前酒や家飲みの食事と合わせるにもスパークリングはオススメです。
普段使いにオススメなスパークリングを紹介します。
カヴァ
シャンパンと同じ製法で作られますが、シャンパンより酸が穏やかで飲みやすい、かつ価格もシャンパンより低価格なので手軽に楽しみやすいのが嬉しいポイント!
独特のプラスチックのような香りがするのでそれが苦手でなければ普段使いには持ってこいです。
我が家ではクワトロをよく飲みます。
プロセッコ
プロセッコはタンク方式でつくられるので、フレッシュな果実感があるのが特徴。
ほんのり甘めかつアルコール度数もやや低めなので、よく冷やして暑い夏に昼から飲むなんて楽しみ方ができます!お手頃価格のものも多いので気楽に楽しめるワインです!
ちょっとした話のネタになるスパークリングワイン
スパークリングはみんなが集まる場でワイワイ飲むのにはうってつけのワインです。
そこで少し話のネタになるスパークリングを紹介します。
ドンペリニヨン
知名度だけで言ったらロマネコンティと1,2を争うワインなのではないでしょうか笑
よく夜のお店のシーンで耳にするドンペリです。シャンパンです。
ドンペリニヨンとは、シャンパンの製法確立に大きく貢献した高僧の名前です。
このドンペリですが、めちゃくちゃおいしいです。辛口で泡は繊細。
香りはレモンやメロンの果実感、トーストのすこし香ばしい香りなどなどなど。ぜひ一度味わってみてください。
スパークリング・シラーズ
スパークリングワインは白がほとんどですが、赤ワインのスパークリングもわずかにあります。
そのなかでも有名なのが、オーストラリアでシラーズを使用したスパークリングワインです。
赤ワインの特徴である黒系果実風味やタンニンもしっかり味わえます。



にほんブログ村
コメント