※2021年4月3日作成
※2022年6月4日 更新しました
このブログは、ワインに興味はあるけど、詳しくない、詳しくなりたい!という方に向け、
・ちょっと人に自慢したくなるようなワインの知識
・レストランや買い物でのワイン選びに役立つ知識やおすすめワイン
をまとめています。
メルローは単独でも、他の品種とブレンドしても、力を発揮しおいしいワインができるメルローの特徴と代表的な産地であるフランス(ボルドー)、カリフォルニアのスタイル、おすすめワインを紹介します。
この記事はこんな方にむけて書きました!あてはまる方ぜひ見てみてくださいー
- ワインの勉強を始めようとしている方
- カベルネ・ソーヴィニョンなら何となくイメージわくけどメルローって何?という方
- 赤ワインのブレンドってよくわからない、という方
メルローの品種の特徴やブレンドを理解する上で、よくブレンドされるカベルネ・ソーヴィニョンのイメージがあった方が分かりやすいと思います。
カベルネ・ソーヴィニョン?なにそれ?という方はこちらも読んでみてください
メルローとは-主役でも脇役でも◎な黒ブドウ品種
酸もタンニンもそこまで高くなく、かわりにアルコールが高く味に丸みがあるのが特徴です。
丸みというと曖昧な表現ですが、これはカベルネ・ソーヴィニョンと飲み比べると分かりやすいかと思います。
カベルネ・ソーヴィニョンはその高い酸味とタンニンで、ともするとギスギスとした固い印象になってしまいますが、メルローは固さはなく柔らかく丸みのある味わいになります。
そのため、特にボルドーではカベルネ・ソーヴィニョンとのブレンドが多いです。
カベルネ・ソーヴィニョンの高い酸とタンニンを抑えつつ、丸みを与えることでバランスの取れたワインを作ることができるからです。
熟成はオーク樽を使用することが多いです。

味わいの特徴としては大きく2つに分けることができます。
高温な地域(アメリカ・チリ・南アフリカなど)で多いスタイル
- 多数派のスタイル
- ブラックチェリーやブラックベリーの黒系果実、フルーツケーキやチョコレートのような甘い香り
- 低~中程度の酸味、中程度のタンニン、高いアルコール度数
冷涼~温暖な地域(ボルドー)でのスタイル
- 主にボルドーでのスタイル
- イチゴやレッドプラムの赤系果実、スギやタバコのような葉の香り
- 高い酸味、中程度のタンニン、中程度のアルコール度数
この2つの違いは、気温とブドウを収穫する時期によるものです。
ブドウは成熟するにつれて、アルコールの元となる糖分が上がっていく一方で、酸が下がっていきます。(糖分はワイン醸造の過程でアルコールになるので、出来上がるワインが甘くなるわけではありません)
そのため、
- 成熟しやすい暑い地域や収穫時期を遅めにした場合は、その分アルコール度数が高く重めのワイン
- 涼しい地域や収穫時期を早めにした場合は、酸が高くアルコール度数も低めで軽めのワイン
が出来ます。

簡単にですが、メルロー品種まとめです。
メルローの産地ごとの特徴
そんなメルローの代表的な産地と特徴をご紹介します。
フランス ボルドー

右岸ワインの主役 メルロー
ボルドーはメルローとカベルネ・ソーヴィニョンのブレンドスタイルが多いです。
「右岸」と呼ばれるサン・テミリオンとポムロールではメルローのブレンド比率が高くなります。
そのため、サン・テミリオンやポムロールのワインは、左岸のワインと比べるとメルローの特徴である赤系果実やスギ・タバコなどの香りが強いです。

左岸はカベルネ・ソーヴィニョンが主体で右岸はメルローが主体になる理由は、ブドウの成熟スピードが異なるためです。
カベルネ・ソーヴィニョンは果皮も厚く、ブドウが成熟するためには十分な暖かさが必要、かつ成熟も遅いです。
メルローはカベルネ・ソーヴィニョンに比べると果皮が薄く、ブドウが成熟するための暖かさもカベルネ・ソーヴィニョンほどは必要なく、成熟も早めです。
ボルドーは左岸の土壌が砂利質なのでブドウ畑の温度が高くなりカベルネ・ソーヴィニョンが十分成熟できます。
反対に右岸は土壌が粘土なのでブドウ畑の気温は、カベルネ・ソーヴィニョンが成熟できるほど高くなりません。
このように品種自体の味わいの特徴や収穫時期の違いにより、ボルドーをはじめとした多くの地域では複数の品種をブレンドしてワインをつくります。
果皮による成熟の違い、土壌と気温の影響はこちらでも記載しているので気になった方はチェックしてみてください。
そのため、左岸のほうがカベルネ・ソーヴィニョンの比率が高く、右岸のほうがメルローの比率が高くなります。

右岸ワインの躍進!ガレージワイン
ボルドーワインは、1900年代までは左岸ワインが高く評価されていたものの、右岸ワインはあまり注目されていませんでした。
そんな右岸ワインの知名度・人気を大幅アップさせたのが「ガレージワイン」です。
もともと右岸ワインは商売敵である左岸のパワーによりあまり注目されていませんでした。
1855年にボルドーワインの格付けが行われたのですが、この中でも右岸のサン・テミリオンやポムロールは対象外にされてしまうほどです。
右岸が巻き返しを図れたのは、まずは第二次世界大戦後です。
まず出てきたのは、ペトリュスとル・パンの2つのシャトー。低収量な希少さを売りに、高価格の販売戦略がはまります。
ちなみにこれがル・パンです。amazonだと35万円、お高いです。飲んでみたい・・・
その勢いのままに、1990年代「ガレージワイン」が多数誕生しヒットします。
これは小さい畑から、手間や費用をたっぷりかけてごく少量だけ作るワインで、収量を減らすことにより高いクオリティを出すことに成功しました。
ガレージワインの生産者はほとんどが格付け対象外だったにも関わらず、格付けシャトーよりも高値で取引をされるほどです。
アメリカ カリフォルニア
カリフォルニアのメルローは、ブドウを遅めに収穫してワインをつくるスタイルが多く、
ブラックチェリーやブラックプラムなど黒系果実の香りが特徴です。
また甘やかなフルーツケーキのような香りも特徴的です。
メルローのおすすめワイン
フランス ボルドー
CHネナン
ネナンは右岸であるポムロールのシャトーです。
赤果実・黒果実の香りだけでなく、チョコレートやバニラ、レザーなど複雑な香りが楽しめます。
酸もタンニンもやや高めですが、バランスがとれてておいしいです。
参考価格:11,690円(Amazon)
アメリカ カリフォルニア
ダックホーン メルロー
1970年代当時ブレンドメインだったメルローを主体にして大ヒットしたのがダックホーンです。
ブラックベリーやブラックチェリーの黒果実系と、ラズベリーやプラムの赤系果実の凝縮した果実感、さらにチョコレートの香りが特徴的です。
酸とタンニンはやや高い程度で、メルローならではの柔らかい印象です。
参考価格:7,245円(Amazon)
まとめ
メルローは単独でもおいしく、カベルネ・ソーヴィニョンのブレンド相手としてもバランスのとれたワインをつくるためになくてはならない品種です。
しっかりとしたボディのある赤ワインなので、食事は牛肉・豚肉などお肉料理と合わせるのがおすすめです。
食事は豚肉や牛肉と合わせるのがおすすめです!

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