栽培面積最大の大人気黒ブドウ品種 カベルネ・ソーヴィニョンの特徴と国ごとの違い・おすすめワインを紹介

ワインの世界

※2021/03/28作成

※2022/05/27更新しました

このブログは、ワインに興味はあるけど、詳しくない、詳しくなりたい!という方に向け、

ちょっと人に自慢したくなるようなワインの知識
レストランや買い物でのワイン選びに役立つ知識やおすすめワイン

をまとめています。

カベルネ・ソーヴィニョン、ワインに詳しくなくとも名前だけは聞いたことがある、という人もいるのではないでしょうか。

このカベルネ・ソーヴィニョン、

  • 栽培面積世界最大の品種
  • 有名なフランス5大シャトー(聞いたことある方多いのでは!!)のワインで使用される品種

というスーパースターです。

今回は、そんなカベルネ・ソーヴィニョンの特徴と代表的な産地であるボルドー、カリフォルニア、チリのスタイル・オススメワインを紹介します。

この記事はこんな方にむけて書きました!あてはまる方ぜひ見てみてくださいー

  • ワインの勉強を始めようとしている方
  • ワインのブドウ品種ってどういうものがあるのかよくわからない、という方
  • カベルネ・ソーヴィニョンって名前は聞いたことあるけど、どういう味かよくわからない、という方

カベルネ・ソーヴィニョンとは-栽培面積最大の大人気黒ブドウ品種

カベルネ・フランという黒ブドウ品種とソーヴィニヨン・ブランという白ブドウ品種の自然交配で生まれた、世界最大の栽培面積(2016年調査)の、大人気黒ブドウ品種です。

実は、カベルネ・ソーヴィニョンのベースがソーヴィニヨン・ブランだとわかったのは1997年なのです。

つまり、“ソーヴィニヨン”という言葉が一致しているのはただの偶然です。偶然のネーミングすごい・・・・

ソーヴィニョン・ブランって何?という方はこちらにまとめているので見てみてくださいー

カベルネ・ソーヴィニョンからできるワインのスタイル

カベルネ・ソーヴィニョンからつくられるワインの特徴は、

  • 色が濃い
  • 酸味、タンニン(≒渋み)が強い
  • 香りが強い
  • 長期熟成する
  • 他の品種とブレンドされることも多い

という、超パワフルワインです。

なので、濃い目のお肉料理などに合わせるのがおすすめです。

なぜこのような特徴になるのか、を簡単に説明します。

カベルネ・ソーヴィニョンはブドウの果皮が厚いです。

ブドウは果皮の部分に色素・タンニンの元となる成分が多く含まれています。

そのため、カベルネ・ソーヴィニョンなど、果皮の厚い品種からできるワインはタンニンが多く、色が濃くなります。

また、カベルネ・ソーヴィニョンは酸も高い品種です。

高いタンニンと酸により、長期間熟成が可能なワインができます。

次にオーク樽を使用したスタイルです。

オークを使ったスタイルが多い理由は、

ベースとなるブドウ品種自体の特徴が強いのでオーク樽の風味に負けずに生かせるという目的と、

カベルネ・ソーヴィニョンの強いタンニンをやわらげる目的もあります。

タンニンが強すぎるとワインはぎすぎすした渋みの強い味になってしまいます。

熟成をオークの木樽で行うと、木樽の隙間から酸素が入り込むことで、タンニンが底に沈み、強いタンニンをやわらげて柔らかい口当たりにすることができます。

ブレンドのスタイルが多いのも、この高い酸とタンニンが理由です。

高い酸とタンニンのおかげで、長期熟成には向くのですがその分早く飲むには硬すぎることがあります。

そんな時にほかの品種とブレンドすることで、カベルネ・ソーヴィニョンの強い酸とタンニンを和らげつつ、他の品種のいいとこもワインに与えることが出来ます。

ブレンドのお相手としては、カベルネ・ソーヴィニョンに不足しているボディをもったメルローが多いです。

カベルネ・ソーヴィニョンのワインの特徴をまとめると・・・

ベースは、果皮が厚いのでタンニンが多く、酸味も高いパワフル品種

そのため、

  • オーク樽を使用した風味付けができる
  • 長期間の熟成ができる
  • 他の品種とのブレンドができる

ことにより、バランスの良い/複雑な味わいのワインができる!

カベルネ・ソーヴィニョンが世界で栽培される理由

次に、なぜカベルネ・ソーヴィニョンがそんなに世界で栽培されているのか、について説明します。

もちろん、それだけおいしいというのは大前提なのですが、大量生産の国の気候向き大量生産してもそのおいしさをキープできるところが大きいと思います。

まず気候は、果皮が厚いブドウが十分成熟できるだけの暖かさと日照量が必要となります。

大量生産のブドウ栽培を行うチリやオーストラリア、南アフリカなどは暑くて日照量も十分確保でき、カベルネ・ソーヴィニョンを育てるのに適した気候です。

また、カベルネ・ソーヴィニョンは収穫量が多くなっても、黒果実の風味や強いタンニンを保つことができるというところも大量に栽培されているポイントになります。

カベルネ・ソーヴィニョンがなぜ多く栽培されているか、をまとめると

  • ブドウが成長するために十分な日照と暖かさが必要だが、これは大量生産を行う国の気候に当てはまる
  • 収穫量を多くしても風味やタンニンなどブドウの質が落ちにくい

が理由となります。(もちろん味自体も大事な要素)

カベルネ・ソーヴィニョンの産地ごとの特徴

そんなカベルネ・ソーヴィニョンの代表的な産地と特徴をご紹介します。

フランス ボルドー

ボルドーはカベルネ・ソーヴィニョンで世界でも最高級のワインをつくる産地です。

スタイルは、メルロー、カベルネ・フランとのブレンドで、オークを使用したものが多いです。

そんなボルドーのカベルネ・ソーヴィニョン、お目にかかる機会も多いのではないでしょうか。

メジャーかつレストランでもよく出てくるけど、難解に見えることも多いですよね。

そこで、ワイン初心者でも飲みたいワインを選ぶためのポイントとして、シャトー、セカンドラベル、左岸と右岸の3つのキーワードをご紹介します。

ボルドーワインのキーワード① シャトー

ワインはあまり詳しくなくても、5大シャトーという言葉を聞いたこともある人も多いはず。

シャトーはフランス語で「お城」の意味ですが、ワイン関連では「自社の畑を保有するワイナリー」という意味で使われます。

実際、ボルドーのシャトーはお城のような豪華なところも。

シャトー・マルゴー

ボルドーはこのシャトー(ワイナリー)によってワインが格付けされています。

シャトーなんとか、とか、格付け第〇級のシャトーとか、とよく紹介されていたりします。

ちなみに、5大シャトーとは、カベルネ・ソーヴィニョン主体の赤ワインを作るメドック地区の格付けで第1級の5つのシャトーです。

1855年のパリ万博の際にナポレオン三世の名を受けて格付けされました。ムートン・ロートシルトだけは後の1973年に1級入りを果たしました。

以下5つです、なかなか飲めない超高級品です。

  • シャトー・ラフィット・ロートシルト
  • シャトー・マルゴー
  • シャトー・ラトゥール
  • シャトー・ムートン・ロートシルト
  • シャトー・オー・ブリオン

ボルドーワインのキーワード② セカンドラベル

格付け上位シャトーのワインは、5大シャトーに限らずお高いです。

そんな時に味方になってくれるのが、このセカンドラベルです。

高品質ワインを作り出すシャトーでは、最上級品を作り出すために多くの選別を行います。

畑の場所、ブドウ品質、発酵や熟成の手間ひまなどですね。

そうやって限られた本数の最上級ワインを作る裏で、最上級クラスの選別からもれてしまったもので作られるのがセカンドワインです。

最上級まではいかずとも、そのシャトーの特徴を生かした味わい、かつ最上級のファーストラベルに比べて若いうちから飲める!というお得ワインです!

有名シャトーでもセカンドワインなら手が出せることもあります!

ボルドーワインのキーワード③ 左岸と右岸

ボルドーの赤ワインを初心者でも選べる魔法のキーワード、左岸と右岸です。

シャトーの名前なんていっぱいあって覚えられない、細かい地域も覚えられない、でも好みのボルドー赤が飲みたい!

そんな時に、自分の好みを伝えるキーワードがこの左岸・右岸です。

そもそも何に対して左か右かと言っているのか、というと、ボルドー地方を流れるドルトーニュ川とガロンヌ川とジロンド川です。

この3つの川の左側(西・南)にあるメドック地区、グラーブ地区、ソーテルヌ地区を左岸といい、

右側(北・東)にあるサン・テミリオン、ポムロール地区を右岸といいます。

左岸はカベルネ・ソーヴィニョンのブレンド比率が高いため、赤ワインはよりタンニンが多く重ためになり、

右岸はメルローのブレンド比率が高いため、赤ワインは少し軽めでソフトな口当たりになります。

左岸のほうが暖かいのでより日照を必要とするカベルネ・ソーヴィニョンが多く栽培できるため、このような違いが生まれます。

アメリカ カリフォルニア

カベルネ・ソーヴィニョンはカリフォルニアで最も栽培されている黒ブドウ品種です。

有名なオーパスワンもカベルネ・ソーヴィニョンを主体としたワインです。

フルボディで、黒果実の香りやオーク使用による香辛料やバニラの香りが特徴です。

総じてボルドーのカベルネ・ソーヴィニョンより濃厚で力強い印象です。

カリフォルニアでもメルローとのブレンドスタイルも多くあります。カベルネ・ソーヴィニョン100%でパワフルスタイルも!

チリ

チリにおいてもカベルネ・ソーヴィニョンは最も多く栽培されているブドウ品種です。

ボルドーにみられるようなメルローとのブレンドスタイルもありますが、カベルネ・ソーヴィニョン単独でのスタイルや、チリで多く栽培されるカルメネールとのブレンドスタイルもあります。

高級ワインから、フルーティーで低価格のものまで幅広いスタイルがあることも魅力です。

カベルネ・ソーヴィニョンのおすすめワイン

フランス ボルドー

ル マルキ ド カロン セギュール

左岸であるメドックの格付け3級、カロン・セギュールのセカンドワインです。

ハートのラベルがかわいく、プレゼントにもオススメです。

カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、カベルネ・フランのブレンドスタイルで、酸もタンニンも高め、ブラックチェリーなどの黒果実系だけでなくオークによるチョコレートの香りもします。

参考価格:4,629円(Amazon)

ル・オー・メドック・ド・ジスクール

こちらもメドックの格付け3級、シャトー・ジスクールの醸造チームが手掛けるワインです。

漫画「神の雫」で紹介され人気となったコスパワインです。

黒系果実とスパイスの香りで食事にも合わせやすいです!

参考価格:3,450円(Amazon)

アメリカ カリフォルニア

ケイマス・ヴィンヤーズ カベルネ・ソーヴィニヨン

ケイマス・ヴィンヤーズはナパ・ヴァレーのカベルネソーヴィニヨンを代表するワインを作っています。

ワインスペクターという権威あるワイン専門雑誌で、「ワイン・オブ・ザ・イヤー」を唯一2回獲得したすごいワイン!

カベルネ・ソーヴィニョン100%で果実感・スパイス感のある香り、凝縮感のある風味、長く続く余韻が特徴です。

参考価格:21,700円(Amazon)

チリ

モンテス クラシック・シリーズ カベルネソーヴィニヨン

モンテス!超コスパワインです!

この価格だけどちゃんとおいしいです、おすすめです。

カベルネ・ソーヴィニョンとメルローのブレンドで、オーク使用のスタイル。

黒系果実だけでなくストロベリーなどの赤系果実、オーク由来のシナモンの香りもします。

果実の凝縮感がしっかりあり、バランスもよいので気取らない家ごはんと合わせておいしく楽しめます。

参考価格:1,651円(Amazon)

まとめ

カベルネ・ソーヴィニョンはそのパワフルなスタイルで世界でも大人気の黒ブドウ品種です。

食事は、特に濃厚な肉料理との相性がよいです。

コノスルなどデイリーワインの価格帯でもおいしく楽しめますが、

ワインに飲みなれてきたらぜひ一度ボルドーの高級ライン(セカンドラベルでも)も試してみてください。その味わいの複雑さに圧倒されます!

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